片野由美子
片野 由美子
組織強化コンサルタント Office Yumi
「1人のスーパースターをつくるより、10人のスターをつくりたい」
30年前。
私は、大手アパレル企業のプロジェクトリーダーをしていました。
百貨店に入っている自社テナントの販売員教育が私の仕事です。
販売員は派遣会社から送られてくる販売のスペシャリスト。
色の基本や、流行、繊維の知識、心地良い接客など…ファッションを売るための知識とスキルの教育をしなくてはなりませんでした。
派遣であるがゆえ、彼女たちは帰属意識が薄い。そのため、会社のためにする「勉強」をあまり好みません。
日本中のお店で働く販売職が同じレベルの知識&スキルを身につけてお客様に接することが理想、だけど伝えられる人材が不足しており、システムでの解決が不可欠でした。
マーケティング部にいた私にも、その問題点は分かっていましたし、その解決方法も考えていました
しかし、それをどうやって進めていくかが分からなかったのです。
会社の状況を話すと、彼女は私に営業をかけてきました。
「あなたが考える教育システムを、私は創ることができます」
理想はあるけれども、作ることが出来なかった教育システムは、H先生のサポートを得て完成することになります。
まだNLPやコーチングが日本に知られていない時代、その技法を使って、各支店の担当を巻き込み、一年たらずで構築しまうその手腕。
私の発想は、彼女によって実現したのです。
私自身は「自分にとって面白いか?面白くないか?で決断する」クセが強くあります。
子供のころから、人に何かを教えることが大好きでした。
夢はもちろん、学校の先生。
教員資格を取得する最終段階、いざ教育実習に臨みます。
すると…なんだか面白くない。
十数年ものあいだの夢だった、教員…
アルバイトですら、家庭教師ばかりをやっていたのに。
しかし、面白くないことを仕事にすることは、私には考えられないことでした。
それでも、「人に教えることが好き」ということが変わることはありませんでした。
改めて、就職活動をすることになります。
アパレル企業に決めたのは「教育担当候補」としての採用があったためです。
その方向転換が人生を変えるH先生との出会う第1歩でした。
実際には入社から7年以上が過ぎていましたが、
その会社に、販売員を教育するシステムを創らせてくれたH先生。
私の感動は、システムが完成したことではなく、H先生その人と一緒に創り上げたことでした。
彼女と一緒に、人に教える仕事がしたい…それは、絶対に面白い!
そのときに生まれた小さな気持ちは、一年後に大きな決断となります。
私は、H先生と仕事を共にすることになります。
面白いかどうかで物事を決めていく私。
そして、人に教えることが好きであるという私。
この二つの「私」を、この仕事は満たしてくれました。
人に教えることの信条として持っているのは、「共育」ということ。
共に伸びる、共に育つ、これで組織が成長していくと信じています。
「研修」をやって、この通りやりなさいではなく、受講する本人の納得感が大切です。この納得感を得てもらうために、まだやるの⁈というくらいくり返す、言い続ける、あきらめずに。
納得することで、それは自分の考え方となり、その人の自主性に繋がっていく。
ここまできて、やっと、スキルとして身に付くことになります。
世の中には、身に付かないスキルがほとんどです。
ひとり一人の成長にかかわっていくことが、身に付くスキルを手に入れる「共育」だという考えを、経験で学びました。
とあるスポーツジムで、組織の強化として、スタッフの教育を行いました。
マニュアルで動くのではなく、スタッフひとり一人が、自主性という自分の想いをもって、接客をするようになりました。
そのことで、退会者の減少、来店頻度の増加へと繋がり、売り上げもアップしていきました。
私の行った「共育」で、お客さんが喜ぶのはもちろん、スタッフ達が笑顔で仕事をしている…それが売り上げに繋がっている…こんなに嬉しいことはありません。
やはり、教えるということは、私の宿命のようです。
私がやっているのは、スキル研修ではなく共育。
教えるということは、その場での「わかった」ではないのです。
「わかった」を「できる」にすることが、私が必要とされている理由だと考えています。
一緒に仕事をするようになって数年後、H先生が病に伏します。
お見舞いに伺ったときに、あの交流会で、なぜ私のことをロックオンしたのかを尋ねました。
「1人のスーパースターをつくるより、10人のスターをつくりたいと話すあなたの発想にいっしょに挑戦したかった」という言葉をもらいました。
そして、「あなたは仕事でもプライベートでも夢を実現させてください」という言葉を最後に、亡くなりました。
私はこれからも、先生の言葉を胸に、
・人に何かを教えるための学びを欠かさない
・関わる人の「夢の発掘」をサポートする
この二つを、生涯、実践していきたいと思っています。
事業所概要
事業所名 | Office Yumi |
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代表者 | 片野 由美子 |
所在地 | 〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町80-3-203 |
電話番号 | 080-4327-5211 |
FAX番号 | |
メールアドレス | miyabi.akarisun@gmail.com |
ホームページ | https://officeyumi.net/ |
事業内容 |
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