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会員紹介

瀬尾理祥

瀬尾 理祥
華道家 古流理苑会 家元

「子育てから学んだ家元としての在り方」

現在、いけばな歴は50年。そして、教え始めて35年です。「家元」という立場になって、13年になります。
母が華道の「家元」という家に生まれ、いつのまにか花に触れていました。
生活の中にはいつも花があり、それを生ける母がいました。
そんな状況から、わりと自然に、花を生けることが好きになっていきました。
ただ、そのままお花の先生になっていくわけではなく、最初は学校の職員をしていました。
結婚をして、仕事は一区切り。15年間は完全主婦業の傍ら母の手伝いをしていました。
自分の子供が、高校に入ると、家計の足しにと、飲食店でアルバイトをしていた時期もあります。学生時代に本気でやっていたバスケットのおかげで、体力には自信があったので(笑)
その後、放課後の子供たちを見守るNPOの仕事をしたりと、子供にかかわる仕事をしてきました。

「自由って大変…」

子供にはわりと自由にさせてきました。自分にあまり自由がなかったから…。
ある時、「…自由に選びなさい」って言ったら、返ってきた言葉、「お母さん、自由って大変なんだよ。全部私の責任ってことだから。」

今、とても自由に花と向き合っています。
それは、生徒さんも感じていることだと思います。
この「華道古流の家元」という立場で活動しています。
でも「家元」は、私がやりたいことであったかというと、それは違うと答えるしかありません。自分で決めたことではない、選択肢のない就職でした。
この気持ちを子供に味合わせたくないと、子供の考え方を妨げない子育てを心掛けてきました。それが、幸せだと疑いは全くありませんでした。
そこで言われたこの子供からの言葉…「自由って大変なんだよ」
まさに言葉を失いました…
自分が感じていた、痛みを感じて欲しくないと思ってやっていた行動が、逆に働いているとは…。

私のいけばなには、この経験に影響されているところが、少なからずあります。
ある意味「子育て」が入っています。
子育ては、ものの善悪の判断ができるようになるまでは、親のいいなりですよね。
そして、それをはみ出していく。成長するからこそ、親の枠からはみ出していく。
いけばなの生徒さんも、同じなんです。
感性は、生徒さんそれぞれ。ある時期までは、基本を見せて、引っ張ってあげなくてはいけませんが、そこから、自分の感性に気が付いていきます。
引っ張るのではなく、伴走していく。
まずは、自由に感じて、花を生けてもらいたい。そして、生徒さん自らが違和感を感じる時、手を差しのべる存在でありたい。

子育ては、自分育てとよく言います。
生徒さんと向き合っている時間が、私を育ててくれました。
型や枠にはめないのがうちの流儀。
例えば、黙って見ていること。生徒さんは、花を生かそうと、自分のやり方を考えていく。そこから、達成感や花への愛着が生まれてくる。生徒さんが花と繋がった時、その人の感覚が花に現れてきます。その人自身の花になっていく…
この流れは、生徒さんから教えてもらったこと。
そして、今の私のいけばなの考えかた。
目の前にいるひとが笑顔になっていくいけばな。

「家元であること」

先代である母は、「古流」といういけばなの流派を伝えていくことを信条としていました。
なので、花展に出品した生徒さんの作品を、母は直していました。
「その人」ではなく、「古流」を尊重する。
自由な感性を大事にしたい、今の私のいけばなとは違います。
ただ、流派を大切にした「型にはめる」ときは、母のように教えることもあります。
「そうせねばならない」という教えを体得してもらうには、時間と忍耐力が必要です。
実は、こういう事を学んでもらえる人も、探さなくてはいけないんです。
「古流」という流派を絶やさないことは、私が「家元」である、大切な理由のひとつでもあるのです。

「花の命を生かしきる」

集まってくる生徒さんは、自分の時間を持つという気持ちがあるひとが多いです。
その時間が、私との時間だと考えてくれています。
私といっしょに、自分を磨く時間です。

事業所概要
事業所名 瀨尾理祥いけばな教室 古流理苑会
代表者 瀨尾 理祥
所在地 〒251-0047 神奈川県藤沢市辻堂2-21-19
電話番号 0466-36-3730
FAX番号  
メールアドレス naomish37@gmail.com
ホームページ https://risho-ikebana.jp
事業内容
  • いけばな体験
  • いけばなお稽古
  • 記念日いけばなⓇ(贈り物)
  • 出張いけばな装飾 etc.