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山嵜直子

山嵜 直子
陶芸家

「人とのご縁を大切に…それが私の陶芸人生」

はじめまして!陶芸家の山嵜直子です。
この道を歩むこと20年以上。
北鎌倉の工房で陶芸教室や、日本国内をはじめ、大好きなフィリピンにて個展を開催しています。
「使う人の生活に溶け込む焼き物を」という想いを胸に、完成までの工程をたどります。
材料である土と対話しながら、
「どんなお料理の引き立て役になるかな?」
「この器を囲う食卓ではどんな会話が生まれるのだろう?」
手に触れる焼き上がりの感覚とあわせて、こんなふうにイメージする贅沢な時間が、この上なく幸せです——。
「電動ロクロとの出会い」

私が陶芸を始めたのは、偶然、電動ロクロと出会ったことがきっかけでした。
子どもの頃から教わっていた絵の先生のアドバイスにより、美術大学へ進学。
デザイン・木工芸・金属工芸・陶芸を学ぶという、優柔不断な私にはぴったりなカリキュラムでした。ところが、進級の時期を目前にしても、私は専攻分野の選択が決められずにいました。
陶芸も、型作りに緻密な計算が必要ということで避けていたのです。
そんなある日、1階のおトイレに行きたかったのに空いてなくて、初めて地下に降りました。
すると、薄暗い廊下の奥から「ウィーン・・・」という不思議な音が…!音の正体は電動ロクロでした。
「面白そう!こんなに楽しいことを隠していたの!?」(笑)
土が自由自在にカタチになっていく様子に大感激!!!私の陶芸人生の幕開けとなりました。

「陶芸教室の職員を経て青年海外協力隊へ」

学生時代最後の夏休み。個展の開催を控えた教授に呼ばれ、日夜お手伝いに勤しみました。
卒業後の進路を考えていたところ、教授から、ある陶芸教室を紹介されます。
『日本陶芸倶楽部』。日本で最初のアマチュア陶芸の振興と普及を目的とした教室でした。私は受験を決め、無事に合格。多くの方に陶芸(作陶)を楽しんでいただけるように務めた4年間でした。
その後、学生の頃から興味があった「青年海外協力隊」に応募します。
希望していたアフリカやスリランカとは裏腹に、任務地はフィリピンに決まりました。
発展途上国の現地では、学校に行く余裕もない子どもたちに、生きていくための職業訓練を行いました。
現地での「陶芸」の取り組みはというと、難しい面もありました。
フィリピンの土は低温でしか焼けない土でしたし、そもそも、器を楽しむ文化すらない。お料理をのせるお皿といえば、バナナの葉っぱです。マグカップも市販のカップ麺の容器を洗って使うような生活でしたから。
そんな中でも、日本人会の方々にお願いしをして、現地の人たちと作った器をバザーに出しました。
本来のプロジェクトとは異なるものでしたが、試行錯誤しながら現地の人たちと関わるうちに、フィリピンが大好きになりました。
「フィリピンで生きていきたい!」3年間の任期を経て芽生えた熱い想いでした。

「逆カルチャー・ショックと、深刻な腱鞘炎」

青年海外協力隊の任期を終えて帰国すると、逆カルチャー・ショックに苛まれました。
フィリピンの人たちは、明日食べるものも手に入るかわからないのに、いつもニコニコしていました。
「辛いのに笑ってなくてどうするの?」彼らの言葉が鮮明に蘇ります。
フィリピンに比べて、物質的にはじゅうぶんに満たされているはずの日本。けれども、ひとたび電車に乗れば、どんよりした重たいグレーな空気が漂っています。違和感を覚えずにはいられませんでした。
そんな折に、カナダにいる姉に誘われ、渡航。カナダの陶芸家と知り合います。お互いの持っているスキルを交換する中で、「焼き物を生業にしたい!」と、強く思うようになりました。
カナダではそれまでに作ったことのない大きな器を大量生産し、充実した日々でした。
ところが、その矢先に右手に腱鞘炎を患います。
手を治すこと、資金をためて自立したいという思いから、フィリピンの日本企業にて、通訳・翻訳の仕事に就きました。その2年間は、現地の人たちとお話ができて嬉しかったのですが、大好きな国にいるにも関わらず、体調に異変が起こります。
「このままここいたら、本来のあなたじゃなくなっちゃう…。」
フィリピンでの協力隊時代の私をよく知る友人からの一言に、私ははっとしました。

「焼き物を生涯続けたい!」

「ずいぶん土を触っていなかったけれど、大丈夫だろうか?」
不安もありましたが、右手のリハビリに専念し、現在の工房を築くまでになりました。
工房は決して広くないけれど、ここは私のお城。この空間に居るだけで幸せを噛みしめることができます。
制作している時は、自分だけの世界。贅沢な時間。
インストラクターをしている時は、色々な方とお話できるかけがえのない時間。
昔は自分から他人に話しかけることが苦手でしたが、「焼き物」というツールを使って、現在は生徒さんとの会話を心から楽しんでいます。
生徒さんは、それを共感してくださっているのかもしれません。長いお付き合いになると、気分が落ちている時もわかります。そんな時は、一時でも嫌なことを忘れて、土との時間を楽しんでもらう——。
こうした一つ一つのご縁が、私の宝なのです。
30年前に慣れ親しんだフィリピンの情景。「あじあんlifeシリーズ」のモチーフです。
絵をつける際、私の心には、いつもフィリピンの人たちの賑やかなおしゃべり声が聞こえます。
器を使っていただくご縁、生徒さんとのご縁、大好きなフィリピンでのご縁・・・
陶芸人生で繋がる数々のご縁を大切に、そして深めながら、私は生涯、焼き物を続けていきたいです。

事業所概要
事業所名 陶工房 倶夢巣多(くむすた)
代表者 山嵜 直子
所在地 〒247-0055 鎌倉市小袋谷615-5 グレース鎌倉101
電話番号 0467-44-6331
FAX番号 0467-44-6331
メールアドレス na0-123@nifty.com
ホームページ https://kumusuta.homepage45.net/
事業内容
  • 陶芸品の制作、販売
  • 陶芸教室の開催
  • 個展の開催  etc.