野村　美可
ファイナンシャルプランナー　ライフナビパートナーズ株式会社 横浜支社

「笑顔があればなんでもできる」

「ルールは誰のためにあるのか」

銀行の営業として、相続や運用の話をしに行くことは好きな仕事でした。
お客さまは、そろそろ第二の人生をスタートされる方。
これからも自分が輝きたい、ワクワクしたいという話をされる方が多くいました。
美味しいモノを食べに行きたい、髪をキレイにしたい。
しかし、体の不調や、家族との関係性から、それが叶わない…
気心が知れてくると、自分のそんな悩みを打ち明けてくれます。
私は、ひとりでニコニコとその話を聞くだけ…何もしないし、できない。
ここに、「銀行のルール」というシャッターがありました。
私の仕事としてのスキルは金融しかないけれど、それ以外のことでもいろいろ協力してあげたい。
けれど、このルールのあるところにいる限り、お客さまといっしょになってニコニコすることはできなかったのです。

ここで培ったスキルと、私ができることすべてを使って、本当の意味でお客様のお役に立ちたい！という思いは、少しずつ膨らんでいきます。
55才になると、給与が6割になるという腹立たしいルールも、その決意をさせるにはプラスに働きました。
私は銀行を退社します。

今の会社には面倒なルールはありません。
お客さまとの「たあいもない時間」は、なくてはならない大切な時間。
お客さまの心に触れる時間。
私といることが、楽しいと思ってもらえていることがとても嬉しいのです。
あのルールはもうありません。

でも、ここには私のルールが存在します。
自分の感情の起伏は、お客さまに伝えない。いつもフラットな心を保つ。
私の気持ちのテンションによって、お客様の心に波を起こさないこと。
「ルールはお客さまのためにある」

なにかあると、この言葉を思い返すようにしています。
ただ、人一倍、感情ダダ漏れの私には、このルールは修行に近いです(笑)

お客さんが不安に思ってることが解決して、嬉しい顔をしているのを見るのがホントに好きなんです。そのときのありがとうは、わたしの至福の言葉になります。
お客様が2世代、３世代も続いて、わたしのファンになってくれている家族があります。
相続の話が持ち上がった時、親と子の両方からアプローチを受けるというちょっと難しい状況に！板挟みです…でも、これほど嬉しいことはないです。
家族以上に、この家族には私が必要なんだと思えた瞬間です。
お客さまが、心を開いてくれた瞬間、家族にも話さないことを話してくれた瞬間。
この瞬間を感じるまでの関係構築は、私が仕事をしている実感を噛みしめる時間なのです。

「あなたに遺言を書きたい…」

こんな言葉をいただいた時があります。
その時のお客さまの笑顔には、私に対する信頼が満ちあふれていました。
時には、家族以上の信頼をいただくことがあります。
銀行時代は、三菱の野村さん。
今は、ただの野村さん(笑)。
どんな話でも、興味を持って聞いてしまうからじゃないかなと思ってます。
とことん、付き合ってしまうから。
自分のことを話してくれるから嬉しいと言われることもあります。
いつも本音で付き合う姿勢は、忘れないでいます。

「笑顔があればなんでもできる」

主人が体調を悪くしたことをきっかけに、社会に出ることになったこと。
仕事をしなくてはならなくなったこと。
主人にはありがとうと言いたい。
人に対して、こんな気持ちで仕事ができていること。
幸せを手にいれたお客さまを、見守ることができること。
人生において「こころの安心」が、いかに大切か知ることができたこと。
私が手に入れた事と時間は、計り知れません。

自分に化粧しててもしょうがない。
私の素の笑顔が、お客さまに届ける何かを、これからも探していきます。

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