
佐野 悦子
社会保険労務士
「社労士×森林浴、自分らしく働ける社会をつくっていく。」
社会保険労務士として、企業の労務管理やIPO(株式上場)の支援をする一方で、森林浴ファシリテーターとして、森の中で人と向き合う時間も大切にしています。
少し変わった組み合わせだと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
どちらにも共通しているのは、「人の力を信じること」、そして、「自分らしく働ける場づくり」をサポートしたいという想いです。
「「仮の自分」で走り続けた30代」
私が社会に出たのは1992年。
当時の日本は、男女の格差が当たり前のように残っていました。
「女性だから」という理由で、補佐的な役割を押しつけられるのが嫌で、女性が主役の場を求めてワコールへ就職しました。
販売員として働いた後も、転職先を選ぶ基準は「女性が活躍しているかどうか」で、エステ業界へ。
ここで管理部門の仕事を任されるようになったこともあり、33歳の時に社労士の資格を取得しました。
その後は、金融ベンチャーのバックオフィスで働きました。そこは、まさに男性社会。
「男性以上に働いて、やっと同等と認められる」「気の利く女性が評価される」そんな職場の空気にやるせなさを感じていました。
厳しい上司に怒鳴られてトイレで泣いたことも、男性ばかりの会議で黙っていたことも、今となっては懐かしい苦い記憶です。
働くって、こんなに我慢が必要なんだ…。そう思っていました。
そして、ずっとどこかで「今は“仮の自分”なんだ」と言い聞かせ、「ここではないどこか」を求めていました。
「子ども時代の“違和感”」
「仮の自分」で走り続ける私の奥底には、もっと前から抱えていた“違和感”があったのかもしれません。
私は三人兄弟の真ん中。兄と弟に挟まれて、女の子としてどう振る舞えばいいのか、どこか手探りで生きていた気がします。
父は無口で怖くて、弟が膝の上に乗って甘える姿を、私はどこか遠い目で見ていました。
一方で、母は天真爛漫。祖母は水産加工業の女社長で、「隙を見せるな」と教えられて育ちました。
家庭の中でも、女性であることへの“慎み”や“期待”があった…。
その感覚が、大人になってもずっと心に影を落としていたのかもしれません。
「「自分らしく働く」を知った40代」
そんな私に、働くことの喜びを教えてくれたのが、40代半ばで出会った保育園運営の会社でした。
保育園を13園経営しながら、上場を目指していたその会社は、社長も従業員もみんなが対等に、助け合って仕事をしていました。
肩書ではなく、信頼でつながるチーム。心理的安全性がちゃんとあって、自分の意見を出していい空気。
「自分が頑張ることで、誰かの役に立てる」
「自分のままで、仕事ができる」
そんな経験は、私にとって初めてでした。
終電ギリギリまで働く日が続いても、不思議と誰もが笑顔でいられる職場。
それまでは、どこか肩に力が入っていた私が、初めてふっと力を抜けた場所でした。
この会社での学びが、今の仕事の根っこになっています。
人は、やりがいや誇りを持って働けたときに、本当に変わるんだということ。
“人と組織”の関係性が、その人の本来の力を引き出すのだということを、身をもって体験したのです。
「組織に風を通す、伴走者として」
社労士という肩書きではありますが、制度を整えることだけが私の仕事ではありません。
大切にしているのは、その先にいる「人」がいきいきと働ける環境をつくること。
どうすれば部下が力を発揮できるか。どうすれば組織に風が通るか。
そんな視点で、コンサルティングや研修を行っています。
ご相談を受けるなかで、「誰に聞いたらいいかわからなかったんです」と言われることも少なくありません。
モヤモヤした表情が、少しずつほどけていく瞬間は、何度経験しても胸が熱くなります。
難しい言葉をかみ砕いて、必要な情報を交通整理しながら「つまりこういうことです」と伝えるのが、私の強み。
さらには、法律と人とのあいだにある“グレーゾーン”にも、現実的な着地点を見出していく。
それが、私の得意とするところです。
関係性を大切に、長く伴走できる存在でありたい。
そんな想いで、日々仕事に向き合っています。
「森の中で取り戻した「余白」」
忙しさのなかで、心を立て直す時間が必要だと実感するようになった頃、私は「森林浴」と出会いました。
森の中を歩きながら五感を開き、思考を一度手放す体験。
誰かと比べるでもなく、役割に縛られるでもなく、「ただそこにいる」自分を感じる時間。
忙しさの中でこわばっていた心が、森の中では自然と緩みます。
その感覚を、多くの人に体験してほしいと思い、森林浴ファシリテーターの活動を始めました。
今では、企業研修にも取り入れています。
人が「本来の自分」に戻れる時間って、働く上でもとても大事だと思うんです。
余白があるから、発想が生まれ、行動の質が変わる。
だからこそ、これからも私は「仕事」と「自然」の両方からアプローチしていきたいと思っています。
「これから吹かせたい“変化の風”」
今、社会は大きな転換期を迎えていると感じています。
多様な働き方、女性の活躍、健康経営…。
馴染みのある言葉になりましたが、実際には、まだまだ「男性的な働き方」が主流で、「未来志向で、ガンガン進める人」が評価されがちです。
でも、これからは「目の前の変化に丁寧に向き合う力」が求められる時代になると思うのです。
女性ならではの感性や、柔らかな視点が活きる時代。
だからこそ、私はもっと「女性の働きやすさ」や「個人のウェルビーイング」を含んだ大きな視点で、「自分らしく働く」ことができる企業の支援をしていきたいと思っています。
実は、叔父が海外で長年キャリアを積んでおり、今はその叔父との新たな取り組みも構想中です。
制度や仕組みを整えるだけではなく、一人ひとりの内側にそっと、でも確かに、“変化の風”を吹き込んでいく。
私はこれからも、この風を届け続けます。そして、共に歩んでいきたいと思っています。
事業所概要
事業所名 | ネイチャー社会保険労務士事務所 |
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代表者 | 佐野 悦子 |
所在地 | 〒154-0001 東京都世田谷区池尻3-25-14-405 |
電話番号 | 090-8519-4968 |
FAX番号 | |
メールアドレス | etsuko.sano.sr@gmail.com |
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事業内容 |
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